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Amarkantak


旅のあらすじ

 Vindhya山脈と Satpura山脈が出会うマイカル高原の聖域、アマルカンタクの森には二つの大河が生まれ、ナルマダは西へ、ソンは東へと流れます。この森から湧き出る数多くの泉が加わり、世界に豊富な水を提供しているのです。

 シヴァ神の額より落ちた汗の滴より、美しい女神が生まれると、シヴァは女神をナルマダと名付けて聖河ナルマダが創造されるに至りました。女神ナルマダの誕生日、NarmadaJayantiには毎年、盛大な祝いが催されています。 アマルカンタクで生まれたナルマダはマディヤパラデッシュ、マハラシュトラ、グジャラートへと1312kmを流れ、Bharuchにてアラビア海に流れ込みます。プラーナではガンジスに一度沐浴し、ヤムナーに七日間、サラスバティに三日間過ごすことが解脱への道であり、ナルマダは一目見るだけで至福が与えられるといわれます。

 マントラやバジャンを耳に、 ジャングルの美しさを目に、丘を吹く風を肌に、大地のにおいや香のかおりを鼻に、捧げられた野菜や果物、ナルマダの聖水を舌に。五感は研ぎ澄まされ、心と共に神に捧げる。




樹皮を一気に剥ぎ取り、平たく柔らかく打ちならすと快適なマットレスになる。


 古くからヴェーダの習慣を保ってきたジャングルの住民は、 薬草や自然の専門家。村人や医師にも採集した薬草を供給している。アマルカンタクの森は豊富な薬草を生み出すことで注目されていて、薬草゛Brahmi"が有名。早朝ブラミ茶をいただくと、視野も思考もすっきりとした一日を過ごすことができる、 まさに頭の冴える薬草。薬局にはシロップ状の甘いものもあり、学校で授業に集中できない子供にも与えられる。薬草から抽出された゛Ghulbakauri"という目薬は白内障を治すことでも知られ、長期使用で視力を回復することもできる。ジャングルの神聖な薬を求めて、遠くからここを訪れる人も多い。

Ram- Baba Ashram


 ジャングルにある洞窟で生活するというアイデアが浮かんだものの、熊などの野生動物が多いということは、小さなトルシーを連れては危険が多い。私達は村のラーマ寺院ですごし、ここを拠点にアマルカンタクを巡ることにする。
 この寺で暮らしてきたヨギの姿がラーマ神像の横に祭られていて、ヴェーダを学んだ尊師として崇拝されている。この寺には巡礼者やヨギ、サドゥや哲学者が訪れ、インドでは習慣的におこなわれてきた解脱道についての討論や供儀が繰り広げられる。


 ラーマの横には大きなハヌマン像。 寺のプジャに興味を持ったトルシーは、このハヌマンを相手に毎日の儀式をしている。オイルランプを灯し、香を立てクムクム(色粉)を額に塗りハヌマンの足元にひれ伏す。 まわりの人達がやるように、自分もプージャを実践してみるのがとても面白いようだ。

 

 

 寺に滞在する若いサドゥは、毎朝乾いた牛の糞を集めて屋根の上に円状に並べ、火をつけてゆく。くすぶった牛糞から煙が立ち込める頃、彼はその中央に座しマントラを唱えて瞑想に入る。彼のグルによってこうした自己意識を浄化する修練は伝授され、ヨギ達は喜びに満ちた幻想的な境地に入り、ときには涙を流しながら神聖なエクスタシーを実感する。

 


 寺の敷地には数家族が住んでいて子供も多く、訪れる巡礼者も加わって毎日とてもにぎやかだ。 私達は、色々な人が集まるこのユニークなラーマ寺院の簡素な部屋で、約一ヶ月を過ごす。

 部屋の前にあるベランダにかまどを組んで自炊をする。ジャングルの住人が村へ売りに来る薪があり、乾いた牛糞も集めると毎日の生活に必要な燃料には事欠かない。正面にはラーマ寺院があり、ここからはアシュラム内を一望することができる。

 

 



 牛や水牛も一緒に暮らしていて、時には台所を荒らしたり、寺の中に入り込んだりといったハプニングが起こる。

 トルシーはアシュラムの愉快な生活がすっかり気に入っている様子。寺を管理しているラームババも子供達をかわいがり、この日は小さい赤ちゃんをトルシーの腕に抱かせてくれた。 寺の台所を預かる女性達は豆の掃除をしている。


 

 

供儀が催された後はヤードにて食事会。



 ダールバティを料理する巡礼グループの女性達。 バティはくすぶる炭の中でじっくりと焼いた、こぶし大のずっしりとしたパン。 この地方に暮らす人々の好物の一つ。

 

 

 


 裏庭にある井戸で日々の水仕事をする。井戸のある暮らしはインドでも少なくなってきた。バシャーンとバケツを水面に落とすと足腰をふんばって両手に力を込め、くみ上げる水がこぼれ過ぎないように勢いよく引き上げる。ひねると水やお湯が出てくる水道とは一味違うアートがある。女性達とおしゃべりをしながら、手を貸しながら。





 週に一度のバザールの日。朝、ジャングルの中からトラックが二台、山済みの農作物と農民を乗せて私達の眼下を通ってゆく。アシュラムの住人達は水浴びをして、洗濯した服を着て楽しそうにしている。 バザールは村の一週間のハイライトであり、アマルカンタクの自然が生み出す豊富な食材と日用品がずらりと並ぶ。


バザールの日


 トラックから籠や麻袋が次々と下ろされて、大きな広場はあっという間に埋め尽くされてゆく。 インド人はとても慎重に買い物をするので、品質を吟味し納得いく値段になるまで交渉。 このあたり特有の香辛料やハーブ、珍しい野菜などを探して歩き、数日分の野菜や米をどっさりと買い込む。金物や農工具、衣料や草履まで何でも揃う。

 テールタヴァと呼ばれる料理用の土鍋が数ルピーで売られている。手ごろな大きさのものを一つ買い、早速ダールを煮込むとその美味なこと! インド料理の本当のおいしさは牛糞の火とテールタヴァと聖水によって生み出されるのであった。ヴェーダに基づいた生活習慣は自然の中にに生きる経験と喜びをもたらしてくれる。


 人間だけでなく、牛をはじめとする動物達ももちろんバザールに集まって来る。バザールのあちこちには葉や野菜の切れ端が動物の餌として積まれているものの、頭の良いインドの牛は野菜売りの目を盗んで売り物野菜の山に突進するので、尻を叩く棒は野菜売りの必需品。



ナルマダ生誕の地

 村の中心にはナルマダの水源と寺院群(Udgam)がある。湧き出るナルマダの水を溜める貯水池、ナルマダクントでの沐浴はナルマダを巡礼する人々にとって掛け替えの無いひとときであり、その後寺院群を参り、本堂にて女神ナルマダとのダルシャンを果たす。

 門をくぐると、白い寺院群のまぶしい美しさに魅了される。
  今日は貯水池の大掃除につき、水は抜かれてブラシを持った人達が池の中をごしごしとこすっている。

 

 ナルマダを見ると、皆思わず何か捧げたくなり、ポケットに入っていたコインを投げる。池の中に投げ込まれた供物は集めてきれいに洗い、ブランミンが大まかに数えています。山積みになった賽銭は寺の神事や修復に用いられる。

 

 

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