ホーム

写 真 集
サイト11へ戻る [目次][1][1a][2][3][4][5][6][7][8][9][10][11][12][13][13a][14][15][16] サイト13へ進む


サイト12

Bhadrachalam



旅のあらすじ

  聖仙バルミキが語った叙事詩、ラーマヤナの舞台となるバドラチャラムは北部アンドラパラデッシュの奥地にあるゴダヴァリ川沿いの町。14年間の国外追放を強いられて、妻のシタや弟のラクシュマンと共にジャングルの中で暮らしていたアヨディヤの王子ラーマは、バドラチャラムの森で スリランカの魔王ラバナにシタを誘拐されてしまいます。 物語の中で、神は人間の姿でその教えと偉大さを世界に示し、 勇敢で美男子のラーマ王子は国民的英雄。

 タパス(苦行)とバクティ(献身)でラーマを信愛していた聖者バドラに、ダルシャンと解脱を与えるために、ラーマはこの地へ立ち寄りました。その後、偉大な献身者であったバトラを標して、バドラの丘・バドラチャラムと呼ばれるようになり、ラーマ神が崇められています。



Jai Sita Rama !


  インドにはアヨーディヤから南のラメシュワラムまで、全土にわたり数え切れないほどラーマの聖地があるけれど、バドラチャラムのダィエティ(神像)は゛Chaturbhuja Rama"と呼ばれる特有のスタイルで、訪れるものを魅了する。 四本の手を持つバドラチャラムのラーマは、Sarga(弓)とBana(矢)の他に、 Sankha(ほら貝)とChakra(火の輪)の四つの武器を持ち、シータをその腕に乗せてラクシュマンと共におわす。
 小高い丘に広がるジャングルの美しさに、シータやラクシュマンや動物達と過ごすラーマの姿が思い浮かぶ。

 

Bhadrachalam

 

 朝靄の中にたたずむ、バドラチャラムのシタ・ラーマ・ラクシュマン寺院。
  神殿の入り口では、供物のココナツの実が次々と割られてゆく。私達もあたり一面に飛び散った、甘いココナツの匂いに包まれて門をくぐる。
 参拝者の流れと共に寺院の中を巡り、ひとときのダルシャン。ラーマにひれ伏してその美しい姿を拝み、感慨に満たされる。これぞティルタヤトラの素晴らしさ。

 



 バドラチャラムの丘を登り、寺院よりゴダヴァリを眺めると、森のなかに隠されたかのような古い神殿跡が見える。

 神輿が出る日の朝、道路脇に描かれたコーラム(砂絵)。水をまき、花びらも供えて新しい一日は厳かに始まる。


 

 

 農家の裏庭にある家畜の水飲み場。中央には花に飾られたヴィシュヌ像。

 



Parnashala


 バドラチャラムより約25キロ、シタが魔王ラバナにさらわれた場所といわれるパルナサラへ。農村では米の収穫が終わり、牛を使った脱穀に忙しい。バスは村を通りぬけて、深いジャングルの中へと進む。

 

 

 パルナサラのラーマ寺院の裏庭には、シータが誘拐される場面が再現されている。
 しかし、ここではブランミン(司祭) に、やたら布施をせがまれて閉口。私達が、寺の入り口に脱いだ草履の置き代を払わないので、彼らは腹を立てている。

 

 ここから森の方へ向かってしばらく歩くと、シータが水浴びや洗濯をしたといわれる小川がある。水辺には小さな祠があり、岩の上にはシータが干したサリーの黄色や赤い色が残る。

 

  大木の麓に住むサドゥに呼び止められて、意味のない話を聞かされる。 サフラン色の服を着て聖者のなりをした人は大勢いるけれど、口を開けばその質がわかるというもの。 聖者は取り留めのない物質的な話をしない。
 私達は、むやみに施しを求めてくる人には布施をしない。寺の中にある無言の賽銭箱に、気持ちを投げ入れるほうが良い。 何も求めようとしない村人やサドゥのささやかな歓待を受けることがあると、帰りがけに数ルピーを神前にそっとおいてゆくことにしている。

 

ゴダヴァリ紀行

  ゴダヴァリを行き交う船がこの辺りではメインの交通手段となっている。私達も、ゴダヴァリ河を下る船に乗って港町ラジャムンドリへ。水量が減る乾季には船はバドラチャラムには発着できず、早朝一番のバスでパランタパリという小さな村の河岸へ向かう。


 いよいよ出発の時間。
人々は船に乗り込み、ドラム缶・作物を入れた麻袋・自転車・鉄くず・山羊などの家畜ももちろん一緒。 船の旅を楽しみにしていたトルシーは、さっそく屋根の上に登って、まわりの人達に愛嬌を振りまいている。

 


 私達を乗せた船はゆっくりとゴダヴァリを下り、各村の岸に長い間碇泊して、乗客や各種の荷物をを乗せてゆく。川好きの私は、世界の大河を渡り歩いてきた。壮大な自然の中、ひろいひろいゴダヴァリにポツリと浮かぶ船の旅は、生き続ける川の神がくれたご褒美なのかもしれない。

 漁師が魚を売りに近づいて来たり、岸にはビディ(インド葉巻)、菓子などを箱に入れた物売りがやってくる。船の中ではお昼ご飯を作ってくれるけれど、フィッシュカレーのみということなので、私達は持ちこんだお弁当や果物を食べてすごす。このあたりに暮らす人々も、ヒンドゥ教と交わりながら原住民族独自の生活習慣を持っている。


  いくつかの村で、麻袋に詰められた収穫物の赤唐辛子を積みこむ。船内の床にはこの麻袋が何段にも敷き詰められて、快適な唐辛子マットレスが出来あがり。一日中、満員の船の中にいても虫に刺されなかったのは、まさにチリのおかげであった。
 ゴダヴァリの午後は熱い、水面を吹く風に吹かれてお昼寝の時間。

 

約12時間をかけて港町ラジャムンドリに到着。

 写 真 集 

サイト11へ戻る [目次][1][1a][2][3][4][5][6][7][8][9][10][11][12][13][13a][14][15][16] サイト13へ進む


ホーム

ホーム  はじめに  ティルタヤトラ   インド旅行学  旅のあらすじ  聖地と寺院  シンボル  ヴェーダの神々  人と暮らし  旅の知恵  コーラム  ヤントラ



© by Fumiko